サッとぶ

日々の徒然。自分用メモなど。

親ガチャや知能の高さ以外に成功者が持つチートについて

人間の脳には、扁桃体という器官がある。扁桃体は、不安や恐怖といったネガティブな感情に深く関わっている。本稿では便宜上、恐怖や不安を感じやすい人は扁桃体が敏感で、その逆の人は扁桃体が鈍感であると表現する。実際には、そんな単純なものではなく、ドーパミンセロトニンなどの神経伝達物質前頭葉の機能、多くの遺伝子の働きなどが複雑に絡み合っているみたいだが、俺も詳しくは知らない。

俺の扁桃体の働きが鈍かった時の体験談は以前に書いた。

https://kei-1010.hatenablog.com/entry/2021/10/07/123854

この体験を踏まえて考察した事を今回は書いていきたい。

 

よく成功者が「あなたもこんな風に考えればうまくいきますよ」などと言うが俺は気に食わない。まるでそのように考えるから自分は成功していると言っているように見える。

しかし実際には脳の状態のせいでそんな風に考えられるようになっただけだ。思考で行動を変えるのは容易ではない。なぜなら脳の状態が思考を導きその考えに至るからだ。

例えば俺の成功体験として「自分の気分は置いておいて、とりあえず明るく挨拶したり笑顔で話すように努めよう。そうすればいずれ相手も自分に好意を持ち仕事も恋愛もうまくいくだろう」と考え実践できた事がある。職場での人間関係が良くなり同僚は俺の言う事を聞いてくれるようになったし、恋人もすぐに作れた。しかしである。これは20歳そこそこの頃の話だが躁状態がおさまったらその後いくら頑張ってもうまく出来なくなった。不思議ではないか。まだ経験も少ない若造の頃にはできたのに、その後の人生で経験も沢山積んだはずの自分が実践できないというのは。

なぜそんな事になるのか。

上記の例で言えば「自分の気分は置いておいて」がまずできない。例えば緊張する場面でどうやって震えを隠すのだろうか?顔の強張りは?心臓バクバクなのに笑顔で話せるはずがない。つまり「自分の気分は置いておいて」と考えられるのは、それが可能だからにすぎない。扁桃体が働かなくなると恐怖や不安を感じないので自分の気分を置いておく事が簡単にできて朗らかさを演出できる。

当時の俺の状態を例として物事が上手くいくかどうかのしきい値との関係を図にするとこうなる。

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通常時の俺がいくら頑張っても「自分の気分を置いておく」ことが難しいのは

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こんな感じだからだろう。物凄く気合を入れれば短期間ならしきい値を超える事もあるだろうが継続する事など不可能だ。瞬間的に頑張れる程度も人によって違ってくる。

しかし俺も調子の良かった時は「努力すれば誰にでもできる」と思っていた。それは上記のイメージがなかったからだ。恥ずかしながら色んな辛い経験を積んで苦しい人の気持ちもわかるはずの30代の時の躁でも「考え方次第でなんとでもなる」と考えて他人にやり方を教えていた事がある。普段は低空飛行の俺でも調子が良くなるとすっかり悪い時の気分や感覚を忘れてしまい出来ない人の事情も考慮しない感じになってしまうのだ。生まれつきや長期間調子の良い人が偉そうにご高説を垂れてしまってもあまり責める事はできないのかもしれない。もし俺が次に調子が良くなる事があればさすがに配慮できると信じたいが、はたして。。。

 

https://logmi.jp/tech/articles/325154

上記リンク先の記事では「相手に期待するからイライラする。期待しないようにすればうまくいく」というような事が書いてある。確かにそうなんだろう。しかし「期待しないようにする」のは大変に難しい。何も期待しないなんて事は不可能なので、程度の問題という事になる。どこまで期待しないでいられるか、という程度は扁桃体の働きに依存する。部下が失敗したらどうしよう、と不安にならない為には扁桃体の働きがその程度まで鈍い必要がある。

彼は考え方を変える事でイライラしなくなったと言っている。しかしその前後で何かストレスが減る要因が他にあったのかどうかは書いてない。何か環境が変わってストレスが減ってそのような考えを無理なく実行できる状態になっただけの可能性が非常に高いと俺なんかは思ってしまう。「海外出身のメンバーの気持ちなんか想像できないので相手の気持ちを考えずに対応するようにしたらうまくいった」という話もそもそも相手が優秀な人だったからそこまでイライラしなかっただけかもしれない。

彼は娘に対してイライラしてキツく言いそうになったのをギリギリ思いとどまったそうだ。ではギリギリ思いとどまれなかった人ならどうだろう?そういう人は彼の考えをヒントにすればなんとかなるかもしれない。ギリギリのラインにいる人というのは

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こんな感じなのだろう。彼の考えを取り入れて努力したらギリギリしきい値を超えられるかもしれない。

でも全く思いとどまれない人はどうだろうか?

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こんな感じではとても考え方だけでうまくいきそうにはない。

そういう人は考え方を変えるのではなくストレスが減るように努力したり食事を変えたり運動したり瞑想、、、まあなんでも良いけど考え方を変えようとする前にやる事が沢山ありそうだ。

その上で惜しくもまだうまくいかない、というような人にしかこの手の考え方とやらは役に立たないだろう。

結局のところ、ほとんどの人は自分に与えられたカードを使って精一杯考えて生きている。それでもうまくいかない場合はたいていどうしようもないのだ。

 

https://president.jp/articles/-/50506

上記リンク先の記事ではホリエモンが「お金を貯めるな。自分の経験の為に全部使ってしまえ」的な事を言っている。「困ったら借りろ! 頭を下げまくれ!」などと檄を飛ばしながら。

これなんか典型的な扁桃体の働きが鈍い人の言動だと思える。お金を貸して下さいなんて言ってくる人は普通に迷惑だし、扁桃体の働きが正常な人は他人に迷惑をかけて怒られたり嫌われたりするのが怖い。頑張って人に嫌われるような事をしたらしたでその後もずっと扁桃体が働いてウジウジと悩み胃が痛くなったり精神的にすり減ったりする。もしくは自分がそうなってしまう事がわかっているので最初からそんな選択肢は出てこない。これは生まれつき扁桃体が鈍い人には未知の事なので (行動できない人がこのような状態になっている事を) 理解できない。

 

ホリエモンの状態を図にするとこうなる。

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基本のスペックが元々高いが、彼が言っている事を実現する為のしきい値を超えるのに貢献してるのは扁桃体の鈍さによる所が大きい、というイメージで描いた。

彼と同じスペックがあっても扁桃体の働きが正常ならこうなる。

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ホリエモンより努力してもしきい値は超えられない。このケースではホリエモンは自分より努力している人に偉そうにご高説を垂れているという恥ずかしい事になる。

そもそも基本スペックが高いのは生まれつきの知能の高さだったり実家の太さによる幼少期からの環境に依存する部分が大きい。ホリエモンの実家は微妙だったようなので、その点は努力したのだとは思うが、扁桃体の鈍さによるチート効果が大き過ぎるので彼の努力なんて誤差みたいなものに思える。扁桃体が鈍ければ普通の人が勇気を振り絞って気力を使い果たすような場面でも何も苦労しない。彼よりも知能が低くて実家も彼より劣る感じの俺でも扁桃体の働きが鈍い状態であれば、それなりに成功者となっていただろう。ホリエモンのように幼少期からずっと扁桃体の働きが鈍ければ脳の発育に重要な成長期に多大な経験を積めるのでその差は更に広がる。

お金を貯めようが使ってしまおうが関係ない。お金なんか使わなくても扁桃体が鈍ければいくらでも経験が積める。実際俺が30代の頃に経験した躁では収入がゼロだったのでお金はあまり使えなかったが色んな人と出会い様々な経験を積めた。逆に扁桃体が敏感だったりするといくらお金を使って経験を積んでも常に不安や恐怖で疲弊し、経験から出てくるアイデアもその殆どが扁桃体の指令で却下される。それ以前に「明日は何をしようかな」という系統のアイデアは自分が恐怖や不安を感じないものしか出てこない (例えば選挙期間中にふと思い付いて、地元の選挙事務所全てを訪ねてみよう、なんてアイデアは出なくなった)。よって使えるアイデアが非常に限られてくる。そういった事がホリエモンのような「扁桃体が鈍いから成功してる系」の人には全く理解できない。だから平気で他人のことを「そんな事も考えられない馬鹿どもが!」みたいなテンションで罵れるのだろう。彼らがよく「俺がせっかく素晴らしい考え方を教えてやっても奴らは『でも、でも、だって』とやれない言い訳ばかりしやがる」と言うのは、その考え方を採用できない人の感覚が全く理解できないからだ。数学の難しい理論なんかを理解できない時、人はそれを理解できる人を尊敬する。しかしこれ系の理屈はなぜか理解できない人の方が偉そうだ。

 

ではどうすれば良いのか?万人に当てはまるスパっとした解決法は残念ながら存在しない。でもまるでそんな方法があるかのように書けばバズる。そんなゴミ記事が溢れて検索結果を汚染するので自分に合ったヒントを探すのも難しい。今の残念な俺がなんとか楽しんで暮らしている方法などを書けば誰かのヒントになるだろうか?また書く気が起きたら投稿してみたい。